聖なる怠け者の冒険

高柴です


森見登美彦さんの「聖なる怠け者の冒険」を読みました。

安定感のある森見ワールド。ただ、有頂天家族などに比べると勢い不足ではあります。有頂天家族がすごすぎるというのも大きいですが。


あらすじは、
京都郊外で某化学企業の研究者として働く青年小和田くんは、平日は勤勉に働く真面目な社会人だ。しかし、だからこそ休みの日は思い切りグータラしたいという自然な(?)欲求を持っている。
そんな小和田くんの理想の休日を阻止せんと奮闘するのは、休日をすみずみまで味わい尽くすことを至上とする職場の先輩と京都で話題の怪人ぽんぽこ仮面。ぽんぽこ仮面とは旧制高校のマントに身を包み、タヌキのお面をつけて困っている人を助ける正義の味方。その怪しさ満点の外見により善良なる市民に通報されまくったという苦難のときを経てやっとその活動が周知され、今では誰からも愛される男だ。そのぽんぽこ仮面に小和田くんは跡継ぎとなるよう迫られていて、謎の怪人の要求から必死に逃れる日々が続いている。
小和田くんの週末が始まり、彼の周囲の動きも活発化する。しかし今回は不穏な影が見え隠れしており、どうやらぽんぽこ仮面が何者かに狙われているらしいということがわかる。必死に逃げるぽんぽこ仮面と彼を追う人々の大冒険が始まり、小和田くんは意地でもグータラする休日にしがみつく。
祇園祭宵山が始まり、幻想的な京都の夜が訪れる。ぽんぽこ仮面を狙う大きな敵の正体が徐々に明らかとなり、グータラ寝ていた小和田くんもなんとか大冒険に繰り出していくが……。


みたいな話。
ぽんぽこ仮面がひたすら頑張っていて、心から応援したくなります。
周りの人たちの冒険も楽しく、勢いはないけどいつも通りの楽しくにぎやかな世界。森見作品がお好きな方におすすめ。