13・67

高柴です


陳浩基さんの「13・67」を読みました。

13・67

13・67

久しぶりに凄い小説を読みました。もうコレ今年一番なんじゃないかなー。まだ1月ですが、あと11か月でこれ以上の本に巡り合えると思えない。
それくらい面白かったです。


舞台は香港で、主人公は警察官のクワン。香港警察きっての切れ者で同僚たちからは名探偵と尊敬される男。そのクワンの警察人生を2013年から1967年へさかのぼりながら描く短編集、いや中編集かな?わりとボリュームがあります。めちゃくちゃ面白いけど、一気に読むのは難しいと思います。


ミステリってトリックをひねりすぎるとなんかトリックだけ浮いて興ざめするし、人物の描写に凝りすぎるとあくびが出ます。なかなか自然にトリックと人間を描いて心地よく結末へ導いてくれるミステリに出会うことはないのですが、この「13・67」はそのあたりも素晴らしい。二転三転するハラハラドキドキの展開なのに、登場人物たちもさりげなく魅力的に作り込まれていて読んでいてストレスがまったくない。
「こんな凄い話を書く人がいるなんて、世界って広いな」と感動しました。
ミステリ好きは絶対読んで損はないです。