トッカン 特別国税徴収官

高柴です


高殿円さんの「トッカン 特別国税徴収官」を読みました。

トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)

トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)

東京の税務署で勤務する深樹は、鏡特別国税徴収官付き徴収官でまだまだ半人前。厳しいエリートの鏡に振り回されながら、税金を滞納している人々が持つさまざまな事情に巻き込まれていく。深樹は失敗を重ねながら、出会う人々と自分の人生を見つめ直していくが……。


みたいな感じ。
感想は、うーん、どうなんだろコレ。
まず文章がいちいち野暮ったくて読みにくい。
深樹の心理描写にページ数使うわりにあんまり共感できない。
というか、登場人物誰にも共感できない。みんな極端すぎ。
鏡とか、とりあえず凄そうなインパクトだけ与えてくるけどイマイチ素敵さが伝わってこない。
あと、どうしてもわからなかったのが天敵の女は鏡の前で深樹の実家の秘密を洗いざらい全部ぶちまけたはずなのに、同じページで深樹が自分の過去をばらされずにすんだって言ってるところ。
え?他にすごい秘密があるってこと?でも文脈的におかしくない??
って何度そのページを読み直したかわからない。最後まで読んだ今でも意味がわからない。
そんな調子だから、鏡がやたら「憮然」とした表情をするのにもひっかかる。これって誤用の方の憮然を使ってるんじゃないかと疑ってしまう。
けっこう有名な誤用だと思うけど、憮然の誤用と足元をすくうは他の作者の本や漫画でもしつこく出てきますね。足元をすくうって想像したらおかしいと思うんだけどな。私はいつもここ掘れワンワンのイメージが出てきます。


話の本筋は面白いと思うので、もう少し丁寧に書かれた高窓作品を読んでみたいですね。これはあまりにも雑すぎる。唐突に入り込むラブコメ展開とかキュンどころかゾッとしたし。