花になるらん 明治おんな繁盛記

高柴です


玉岡かおるさんの「花になるらん 明治おんな繁盛記」を読みました。

花になるらん: 明治おんな繁盛記

花になるらん: 明治おんな繁盛記

ちょっと想像と違ったけれど、面白かったです。


あらすじは
幕末の京都。呉服屋「高倉屋」の跡取り娘として大切に育てられた勢田みやびは、とんでもなく気の強い肝の座った娘に成長する。父の選んだ人を婿に取り、優秀な婿とともに多くの苦難を乗り越えながら高倉屋を大店へと成長させるが、少しずつ夫と距離ができはじめる。そんなある日、突然まだ働き盛りの夫が急死。そして夫に隠し子がいたことがわかり、みやびは苦しむ。
夫の死後、みやびは息子たちのために店を守ろうと必死に働き、やがて海外にも目を向けるようになる。家のため、京都のため、そして日本のために土俵を海外にまで広げて戦うみやびは周囲から尊敬され、誰からも一目置かれるようになる。だがどんな立場になっても、みやびが悩んだり悲しんだりすることは普通の女性と同じ。母親として、女としてみやびは店を背負いながら激動の時代を生き抜いていく。


 
デパートを作った女性の話だと思って手に取ったのですが、あんまりデパートは関係ありませんでした。
幕末から明治にかけての商人たちの戦いの物語。不平等条約のせいで関税を決める権限が日本に与えられず、輸出や輸入において商人たちは大きなハンデを背負っていた。商人たちはそれでもいいものならば売れるはずと信じて必死に世界に認められるものを作っていたんだなあと素直に感心しました。
しかし、この本は面白いと思う層が限られるかもしれないと思いました。ほぼ京言葉で綴られているのでこれが読みにくい人は多いでしょうし、男性はみやびに共感しにくいかも?
前半はちょっと退屈さも感じましたが、ラストがとてもよかったので読む場合は最後まで読まれることをオススメします。