パーマネント神喜劇
高柴です
万城目学さんの「パーマネント神喜劇」を読みました。
- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/06/22
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る
とある神社でお勤めに励む縁結びの神様が、いろんな人間たちの願いに向き合って奮闘する……みたいな話?
神様がめちゃくちゃ俗っぽくて好きです。
神様の力を借りる人間たちの話がそれぞれ短編集になっていて、ゆるく繋がっているので読みやすいです。
全部で4つのお話が入っていて、最初の「はじめの一歩」は、最初の一歩を踏み出すのが苦手な超慎重人間の青年と、彼の恋人のお話。正直に言うと、これが一番退屈でした。途中で読むのをやめようかなと思いつつ、神様の勢いに押されて結局最後まで読んでよかったなと。
とにかく勢いがあります。
二つ目の「当たり屋」は、ズルズルと楽な方へ楽な方へと流された結果、当たり屋をして日銭を稼ぐまでに落ちぶれた男の話。突然降ってわいた神様の気まぐれが、男に信じられない幸運をもたらすが……。これは一番好きかもしれない。神様の振り回されっぷりも見事で、読んでいてスカッとしました。
三つめの「トシ&シュン」は、縁結びを離れて二人の男女の「芸能」の成就を見守ることになった神様のお話。最後のオチまで話の流れに爽快感があって好きです。
最後は表題の「パーマネント神喜劇」で、地震がテーマになっています。神喜劇が示す通り、全編通じて緩い雰囲気の喜劇なので、ここであえて地震をもってこなくても……とも思いますし、「神様」が主役だからこそテーマにしたのかな?とも思います。
あまり深く考えず、神様と一緒にドタバタした喜劇を楽しみたい人にオススメ。