ジゴロとジゴレット

高柴です

サマセット・モーム傑作選｢ジゴロとジゴレット｣を読みました。

ジゴロとジゴレット: モーム傑作選 (新潮文庫)

大好きなモームの短編集。
モームの短編集はいくつか持っているので、今回の短編集とかぶった話もありましたが、この短編集はイイ！！8編が入っていますが、選んだ人のセンスが素晴らしいと思います。モーム好きにはぜひお勧めしたい。
入っているお話とひとこと感想。
｢アンティーブの三人の太った女｣
モームが得意な(？)中年女たちの話。これはもう笑うしかない。なんでモームはこんなに女性の心の動きを捕らえることができるんだろう。
｢征服されざる者｣
ものすごい迫力のあるお話。訳者のあとがきにあるように、モームっぽくないお話です。思わず叫びだしたくなるのに、叫び声は喉にはりついて出てこない。そんなラスト。
｢キジバトのような声｣
モームっぽいユーモアと皮肉たっぷりのお話。モームの独特の人の好みが非常に面白いです。
｢マウントドラーゴ卿｣
有名な短編ですね。緊張感とスピード感があってラストは衝撃的。
｢良心の問題｣
妻を殺した青年の物語。青年の気持ちが理解できてしまうのがちょっと怖い。
｢サナトリウム｣
大好きなお話。最後のセリフに涙が出てきました。ものすごく素敵なお話。モームを読んだことない人に最初に読んでほしいくらい。
｢ジェイン｣
モームらしいお話。面白い。登場人物たちの会話が全部面白い。ユーモアと皮肉に溢れたお話。
｢ジゴロとジゴレット｣
表題作ですね。これを表題にもってくるセンスが好きです。一番心惹かれる題名だと思います。これもラストが好きだな〜。主役の女性の気持ちにとても共感できます。すごく気持ちがわかる。モームはなんでこんなに女心に詳しいんだろう。
やっぱりモームが好きだなぁとしみじみ思えた一冊でした。