螢草

高柴です


葉室麟さんの「螢草」を読みました。

螢草 (双葉文庫)

螢草 (双葉文庫)

あらすじを見て、スカッとしそうな話だなと思って購入。うん。確かにスカッとした。
あらすじは
百五十石取り風早家に女中奉公することになった菜々は、一生懸命に働いて若い主夫妻や彼らの幼い子供たちの温かさに馴染んでいく。中でも、主の市之進の妻佐知からは妹のように可愛がられ、菜々も聡明な佐知を心から慕うようになる。
誰にも言わぬようにしていたが、菜々の父親は実は武士だった。だが、彼女がまだ幼いころに同僚に斬りかかった罪で切腹させられており、父が斬りかかった相手轟平九郎は父の敵だと母に繰り返し教え込まれていた。女の身では敵討ちはかなわないと知りつつも、菜々は轟平九郎のことが気になっていた。
風早家で満ち足りた日々を過ごす菜々だったが、尊敬する市之進の周囲に不穏な空気が漂い始める。市之進は、息子に家督をゆずった先代の主君と城下でもっとも羽振りのいい商人の癒着を疑っており、先代の主君派の重役たちから目をつけられていたのだ。菜々は主人を窮地に追い込もうとしているのが父の敵轟平九郎であることを知り、主人を救おうとするが……。


みたいな話。
悪役は最後まで清々しいほど悪いヤツなので、非常にスッキリします。
良く言えば安定した、悪く言えば単純なお話だったかな。でも登場人物たちがめちゃくちゃ面白いので、読みごたえはあります。菜々におかしなあだ名をつけられる協力者たちがだんだんあだ名に慣れていくところとか本当に面白い。
ただなー、これはハッピーエンドなのかなぁとそこだけちょっとモヤモヤ。いや、100%ハッピーエンドなのはわかってるんですが、私は菜々に想いを寄せる従兄のことを非常に気に入っていたので彼が報われなかったのが残念で残念で。すごくいい奴だったんですよ〜。私なら絶対宗太郎だな!!落ち込んでるだろうな宗太郎。私は応援してるぞ、強く生きてゆけよ!!