仮面の佳人

高柴です


「仮面の佳人」を読みました。

仮面の佳人 (論創海外ミステリ)

仮面の佳人 (論創海外ミステリ)

作者は「快傑ゾロ」でお馴染みのジョンストン・マッカレー。1920年アメリカで出版されており、舞台はおそらくそのころのニューヨーク。
あらすじは、
真面目な物理学者であるサルウィック教授はかなり変わった人物で、犯罪に深い興味を持っている。そして、ある晩自分のアパートに侵入してきた泥棒との接触をきっかけに、犯罪者になることを志す。教授はみかけによらず格闘技が得意で、変人だが頭は切れる。
どうすれば犯罪者になれるだろうか考えた教授は、とりあえず相棒を得ようとダウンタウンでのもめごとに首を突っ込み、ある人物に出会う。
その人物は若くとても美しい女性で、マダム・マッドキャップと名乗る。その素顔はいつも仮面で隠され、本名も素性も謎の女性だったが、教授と、彼が相棒に選んだギャングのボス、ライリーにだけは素顔を見せて自分の仲間になるようにと誘う。ギャングのボスとしてのプライドもあるライリーはマダム・マッドキャップの部下になることに最初は抵抗したが、彼女が提示した好条件に惹かれ、承諾する。
マダム・マッドキャップは自分の目的を明らかにはしなかったが、どうやら彼女のターゲットは女好きの実業家ハミルトン・ブロウンらしい。マスクをつけた美女に興味を持ったブロウンは簡単に彼女の罠にはまり、誘拐される。
ブロウンを誘拐したマダム・マッドキャップは、ブロウンを変わったやりかたで監禁し、彼を苦しめる。
マダム・マッドキャップは、教授とライリーの他に3人の犯罪者たちを自分の手下に勧誘する。3人とも、彼女が約束した多額の報酬につられて手下になるが、それはマダム・マッドキャップの計画のはじまりにすぎなかった。
マダム・マッドキャップとは何者なのか?彼女の目的は?


みたいな話。
トリックはミステリの禁じ手を使っていますが、それでもなかなか面白かったです。ルパンが好きだった人なら懐かしい気持ちで楽しめるんじゃないかな。ノリはルパンみたいなかんじですが、ストーリーはもうちょいしっかりしている印象です。わりとドキドキ楽しめました。
登場人物のキャラがよかったです。マダム・マッドキャップはもちろん、イチオシはサルウィック教授!最初は鬱陶しいオジサンだと思っていたのに、最後は大好きなキャラに。彼らの危機にドキドキすることもありますが、基本的にマダム・マッドキャップは隙がないので、絶体絶命!まで追いつめられることはありません。そこもルパンっぽい。
マッカレーでマスクだと、どうしてもゾロをイメージしますが、あんまり共通点はなかったです。時代も違うし。
うん。やっぱりルパンが近いかな〜。ルパンが大好きだったので、久しぶりにこういう話が読めてうれしかったです。