ナイト&シャドウ

高柴です


柳広司さんの「ナイト&シャドウ」を読みました。

ナイト&シャドウ

ナイト&シャドウ

この題名のナイトは「knight」騎士のナイトのようです。献身的に護衛をする護衛官たちのことを示しているのかな?
日本で首相の護衛を担当している超有能なSPの首藤が、アメリカのシークレットサービスで研修を受けているときにアメリカ大統領暗殺テロ計画が判明して……。みたいなストーリー。
柳さんの書くスーパーマンはホントかっこいい!こんな人本当にいるのかな?と疑いつつも、その魅力にハマってしまいます。首藤は清々しいほど完璧なスーパーマンでした。シークレットサービスの豆知識もいろいろ盛り込んであって、とても楽しく読みました。
ただ、この小説は読んでいるときに頭の中がものすごく散らかります。
“男は驚愕した。まさか、そんなはずはない”
で、場面転換。なに?何に驚愕したの?と、読者の頭の中にはとりあえず犯人っぽい男が驚愕したことがインプット。
“彼女は微笑んだ。そう、これはまだ彼は知らないことなのだ”
で、場面転換。なに?なにを知らないの以下略。
上の文章は適当に私が書いただけのへたくそなたとえですが、こんな場面転換がめっちゃ多い。当然、こちらはもしかしたら大事な意味があるのかも?と緊張しつつ全部覚えようとするんですが、多すぎて途中から頭の中がごちゃごちゃ。こういう場面転換は緊張感も出てわりと好きなんですが、使うならもっと厳選してほしかったかな……。
あと、ラストの一文はちょっと余計かなと思いました。なんて言うか、あまりいい気分になれなかった。登場人物たちは魅力的で、話も面白かったのに読後はそれこそ小説中で多用されていた「ざらりとした」気分になりました。