ラスト・ワルツ

高柴です


柳広司さんのジョーカーゲームシリーズ「ラスト・ワルツ」を読みました。

ラスト・ワルツ

ラスト・ワルツ

読む方も慣れてくるので、最初の「ジョーカーゲーム」ほどの衝撃はありませんが、安定した面白さでした。やはりこのシリーズはすごい。
今回は短編が3つ。
最初の「アジア・エクスプレス」は、通常通りのD機関のスパイが活躍する作品。もちろん、面白かったです。
表題のもととなっていると思われる2作目「舞踏会の夜」は、あの結城中佐が登場するお話。これはすごく好きです。華族出身で今は陸軍中将の妻という立場の女性、顕子が主人公。事件としては小さいものなんですが、ものすごく丁寧にお話が練られています。20年という時を経て、結城中佐が顕子の前に再び現れる。その理由、同じ約束、なにもかもが綺麗にピタリとハマってとても気持ちがよかったです。結城中佐めちゃくちゃカッコイイ。
そして最後の「ワルキューレ」ですが、これは完全にやられた。読んでいて、ちょっと違和感はあったんですが、まさかそういうラストとは…。
なーんて、気になる書き方をしましたが、仕掛けが面白かったのでここまでしか書けません。ある意味、そのラストに明かされる仕掛けの方が事件よりも面白かったです。


もう少し続くのかな?と思われるこのシリーズ。このまま、信頼できるシリーズとして頑張ってほしいと思います。