えどさがし

高柴です


畠中恵さんの「えどさがし」を読みました。

えどさがし しゃばけシリーズ (新潮文庫)

えどさがし しゃばけシリーズ (新潮文庫)

しゃばけシリーズの外伝の短編集です。
1話目は佐助が主人公。佐助が長崎屋にやってくるきっかけとなったできごとです。判じ絵という謎解きを利用して佐助の過去が少しずつ明らかになっていくのが面白かったです。おぎん様と仁吉はずいぶん前から佐助と知り合っていたんですね。
2話目は河童の禰々子親分が主人公。一番好きなお話。子分の河童たちのとぼけた性格がたまりません。禰々子親分はかっこよすぎるし、利根川がその流れる土地を変えてきたという歴史も面白いし、本当に楽しく読みました。
3話目は広徳寺の寛朝様が主役。珍しく妖怪絡みではなく、人間たちのややこしい問題に巻き込まれる話。結局、寛朝様はあんまりなにもしないんですけどね。
4話目は日限の親分のおかみさん、おさきさんが主人公。外から見た長崎屋は本当にキャラが濃いなと改めてしみじみ。それにしても親分、幽霊とか妖怪とかダメなんですね…。あれほどそういうものの気配が強い長崎屋の離れにちょくちょく顔を出しても気付かないのは、信じたくないし見たくないという気持ちを強く持っているからなのかも?
5話目は仁吉が主人公。若だんなが亡くなってずいぶん経った明治の東京が舞台。生まれ変わった若だんなをずっと探している仁吉たちの様子が描かれています。第1話に過去の佐助そしておぎん様を出しておいて、最終話に未来の仁吉を持ってきた流れが面白いですね。
5話目は、お話は面白かったんですが結末が不満です。中途半端すぎる。あれなら別に見つからなくてもよかったんじゃないかなぁ…。


そんなわけで「えどさがし」、しゃばけファンなら読んで損はないかも。禰々子ファンは絶対に楽しめます。