女ごころ

高柴です


ちくま文庫からサマセット・モームの新訳が出ていたので読みました。

女ごころ (ちくま文庫)

女ごころ (ちくま文庫)

あらすじは、
第二次世界大戦前のイタリア、フィレンツェ。若く美しい未亡人のメアリーは、不幸な結婚生活を終えてのんびり穏やかな山荘生活を楽しんでいた。
そんなメアリーには、結婚前の少女のころから親しくしている紳士エドガーがいる。彼は二まわりも年上だが、ずっと彼女に対して誠実な愛情を示してきた。社会的地位もあり、人格も申し分ない。だが、メアリーはいまひとつ彼の求婚を受け入れる覚悟が固まらない。
エドガーが重要な仕事でメアリーのそばを離れることになり、メアリーは一人で約束していた食事会に出席する。そこにいたのはロウリーという名のイギリス人で、彼はとんでもない女たらしとして有名な男だった。ロウリーはメアリーにとりあえず関心を示すが、ロウリーの悪い噂を散々聞かされていたメアリーは警戒する。
その帰り道、メアリーは貧しいヴァイオリン弾きの青年と出会う。彼はドイツに併合されたオーストリアから逃げてきた学生で、人生のどん底にいた。そんな彼にメアリーは同情してしまい、彼を山荘に招く。
彼女の軽率な同情は、恐ろしい事態を引き起こした。そしてパニックになったメアリーが助けを求めたのは、ロウリーだった。


みたいなお話。起こった悲劇があまりに衝撃的で、えっ?これモームだよね?と思わず確認。
サマセット・モームは大好きな作家で、好んで読みます。この人、絶対女の人が大好きだったんだろうなと思います。私より女心に詳しいですもの。あ、私と比べるのは失礼か。そして、女の人もモームが大好きだっただろうなと予想。つねに周りには女の人がいたんじゃないかなぁ。まぁ若い人だったかはわかんないけど。おばさまにモテたかも?
さて、この女心という作品は、美貌の未亡人がまったくタイプの違う3人の男性の中から一人を選ぶという話なわけですが、これが面白い。条件で言えば、エドガー一択なわけです。でも、じゃあお前はエドガーと結婚するか?と言われると非常に難しい。悪いところなんてない。でもできれば結婚したくないとしか言えません。これはホント女心としか言いようがない。
ロウリーは絶対また浮気するんだろうけど、なぜか憎めない男なんでしょうね。メアリーの最後の選択は、彼女らしくて納得できました。メアリーが幸せになっていればいいな〜。