浮世女房洒落日記

高柴です


木内昇さんの「浮世女房洒落日記」を読みました。

浮世女房洒落日記 (中公文庫)

浮世女房洒落日記 (中公文庫)

江戸神田の小間物屋のおかみさんが1年間綴った日記形式の作品。
普通の長屋に住む普通のおかみさんの普通の日常…なんですがかなり面白かったです。
そそっかしいけどカラリとした人の良いおかみさんのお葛のキャラがすごく共感できるというか、そそっかしいところが私にそっくり(笑)わたしはまったくカラリとしたところはございませんが(残念)


ストーリーは、
なかなかうまくいかない商い、次から次へと頭痛の種ばかり生み出す亭主、元気が良すぎる長男などなど普段の生活には不満がいっぱい。お葛は愚痴を日記にまき散らしながらも大好きな甘いお菓子や寄席、季節ごとの行事や近所のおかみさんたちとのおしゃべりをシッカリ楽しんで毎日を過ごす。
すぐそばで展開される恋が目下のところ一番の気がかり…なのだが日々の生活の忙しさにそれすらちょくちょく忘れてたりして。
なんだかんだ、やっぱり家族が好きで、ご近所さんに恵まれていて幸せかもね。亭主はどうにかしてほしいけど。


みたいな話。
大きな事件はなにも起こらないんですが、それでも話の展開は面白く周りのキャラもすごく良かったです。笑いが私好みだったのか、何度も声に出して笑いました。
一番笑ったのは知り合いの家のお宮参りの集まりに招かれた話。大好きなすっぽん鍋が振る舞われたのが嬉しくて、帰るときについ
「すっぽん鍋に呼んでいただいてありがとう」
と言ってしまったくだり。
違う!!お宮参りの集まりだった!!しまった!!みたいな流れがもうわかりすぎて笑えました。よくありますよね…。





高柴