宇宙兄弟20巻

高柴です


楽しみにしていた宇宙兄弟20巻。今回もじんわり泣けて笑えて濃い一冊でした。面白かったです。

宇宙兄弟(20) (モーニング KC)

宇宙兄弟(20) (モーニング KC)

以下、あらすじと感想。ネタバレ注意。


ビンスを乗せたロケットは宇宙へ飛び立つ。
ムッタはビンスをキャプコムとして支えるために過ごしたこの数カ月を思い出していた。


ビンスたちが月に降りるために今回使われる新型の着陸船の開発を指揮したのはビンスの幼なじみのピコ。そして、その着陸船は二人によって“RICK”リックと名付けられた。
ピコの作った宇宙船にビンスが宇宙飛行士として乗り、リックが管制室からビンスに指示を送る。
遠い日、三人の少年が交わした約束。
リックを失った二人にとって、この約束の存在は今もなお大きなものだった。そして、そのリックがいるべきはずだった場所に座るのはムッタ。
ビンスは酒場でムッタが宇宙飛行士たちに弟ヒビトの所在を聞かれているところに遭遇する。ヒビトはNASAから逃げたと馬鹿にする宇宙飛行士たちに、ムッタは言う。
逃げたのはヒビトではなくNASAの方だと。逃げ道というのは甘えの道で、楽な道。ヒビトは今、懸命に宇宙に向かって険しくも楽しい道を歩んでいると。
それを聞いていたビンスは、ムッタに初めてリックのことを話す。ビンスは、ヒビトはリックを思い出させると語り、今ではムッタにも“リック”を感じると伝える。
ビンスは確かに厳しいが、努力し続ける人間に気付き、手を差し伸べることのできる男だった。ムッタの努力はビンスに伝わっていたのだ。


キャプコムとして忙しくも充実した日々を過ごしているムッタだが、日本に一時帰国する。彼が向かった場所はシャロンの病室。彼女はとうとう表情も消え、言葉も話せなくなっていた。しかしわずかに残った指先の動きを使い、シャロンはムッタに吉報を知らせる。
シャロンがずっと望んでいた月面望遠鏡がとうとうNASAの協力で実現できることになった、と。
シャロン月面天文台の建設マニュアルと、シャロン自身がムッタに向けて録音しておいた解説を手に、ムッタは再びヒューストンへ戻る。
戻った彼を待っていたのは、同期のせりかさんと北村さんがISSに搭乗することになったといううれしい知らせだった。
次に月へ向かうクルーたちには、ムッタ発案の“落ちない”バギーの組み立てや、シャロン月面天文台の建設ミッションが与えられる。ムッタとしては絶対に任命されたいところだが、ゲイツの異議によってそれは絶望的に……。


で、次巻につづく!!


おのれゲイツーッ!!!
宇宙兄弟では悪い人ってほとんど出てきませんが、コイツだけは…。
今回はビンス・ピコ・リックの三人の友情がすごくよかったです。ああ、男の子だなーってかんじ。リックのために努力を重ねてきた二人がかっこよかったです。
シャロンの病状がまた進んでいてショックでした。せりかさんはなんとかISSに搭乗できるようになった段階だし、ムッタは月が近いのか遠いのかわからないし、あせります。ビンスたちのようにいつかムッタもシャロンとの約束を果たせる日が来てほしい。
あとはやっぱりムッタの「逃げたのはヒビトじゃなくてNASAだ」っていう言葉がすごくよかったです。ムッタの言葉って全然お説教っぽくないのにガツンときますね。そこが好きです。
さぁこれからいったいどうなるのかな〜?不安と期待で早くも次巻が待ち遠しいですね。



高柴