公家侍秘録

高柴です


今日は大好きな漫画をご紹介。
高瀬理恵さんの「公家侍秘録」です。

公家侍秘録 1 (ビッグコミックス)

公家侍秘録 1 (ビッグコミックス)

全7巻。一話完結もの(たまに前編後編に分かれてたりする)
簡単に説明すると、
江戸時代の京都。青侍(公家に仕える侍)の天野守武は一見優男に見えるが、実は京八流の凄腕の遣い手。そんな彼には、主家と彼だけが知る役目があった。
それは、主家の先祖がお上(天皇)から賜った宝刀「粟田口久国」を守るという役目。つまり彼は、刀を守る「刀守り」である。
彼が先祖代々仕える日野西家は無役の貧乏公家。人の良い殿さんの日野西晴季とワガママでお転婆なお姫(ひい)さんの薫子の三人で普段は生活のための内職に励んでいる。
そんな彼らが京で起こるさまざまな事件に巻き込まれて解決に導いていくというお話。
三人のキャラが絶妙。
主人公の守武は男前で武道に秀でていて頭もいい。さらに超真面目で働き者で忠義者。当然優しい。完璧なのに、常にお姫さん(ときどき殿さんも)に振り回されて可哀想なことになっているのが笑えます。常に貧乏くじばっかり引くタイプ。
殿さんはとにかく人が良い。意外と頭も良いけど見た目はくたびれたオッサン。いつも娘の薫子のお転婆っぷりに頭を抱えている。守武と同じくらい内職をこなす働き者。超貧乏だけど、心は決して貧しくないところが素敵。季節ごとのお祝いや行事はきっちりこなそうとするし、どんなにお金がなくても最低限の誇りは失わない。
お姫さんの薫子はとにかくオモロイ女の子。家宝の宝刀なんか売っぱらって家計の足しにすればいいとしょっちゅう言い放って父親と守武に叱られている。食いしん坊でお金が大好き。事件を解決するたびに礼金などを期待するが、うまくいかないことのほうが多いかも。じゃじゃ馬だけど優しい女の子で、率先して人助けに乗り出すこともある。


江戸時代の京都、しかも貧乏公家にスポットを当てているのって意外と新鮮ですよね。京言葉もはんなりと読んでいて心地よく、なにより当時のいろいろな行事や風習が興味深いです。
時代小説に興味のある方もない方も楽しめる作品だと思います。
オススメです。



高柴