夏目友人帳14巻

高柴です


夏目友人帳14巻の感想です。

夏目友人帳 14 (花とゆめCOMICS)

夏目友人帳 14 (花とゆめCOMICS)

少しストーリーが動いた印象です。前巻での的場とのやりとりが夏目に影響を与えていました。あと、レイコさんの過去が少しだけ明らかに。
では以下、あらすじと感想。ネタバレ注意。



第五十五話
「音無しの谷」
塔子さんのおつかいの帰りに夏目は妖怪に襲われ、声を奪われる。そんな夏目を助けたのはレイコの知り合いの妖だった。妖は夏目をレイコだと勘違いし、棲家に連れ帰って歓待する。
声が出ない夏目の代わりに、迎えにきたニャンコ先生が妖にレイコではなく孫であることを説明。無事帰宅する。しかし、声を奪った妖怪たちが友人帳を狙ってやってくる。友人帳さえなければ大切な人たちも自分も危険な目にあわないのではないかと悩んでいた夏目を守ったのはやはりニャンコ先生だった。


ニャンコ先生が好きすぎてあらすじまで先生が主役になってます。でも、ピント外れでもないと思うんですよ。夏目の心の揺れをニャンコ先生はちゃんとわかっているのが、いい相棒だなと思います。大好き。
でも、この巻は夏目がしんどそうで見ているこっちもつらかったです。夏目は、妖怪たちのことを否定しないけど、やはり危険な奴らもいる。夏目には大切な人間たちがたくさんいて。自分になにかあるとみんなを悲しませることもわかってるんですよね。でも、祓い屋はなにか違う気がして悩む夏目の気持ちがよくわかりました。


第五十六話
「悪戯な雨」
夏目は一枚のタオルを大切に持つ小さな女の子の姿の妖と出会う。彼女は50年ほど前に人間からもらったタオルを返したいのだと話す。
彼女は力の弱い妖だが、たまたま50年前の雨の日に自分の姿が若い男性の目に映り、濡れた彼女を心配した彼にタオルをもらったらしい。しかし姿を見られたのは気まぐれな雨の起こした偶然で、それからは、一度も彼の目に彼女が映ることはなかった。
ここ一年ほど彼の姿を見かけなくなったことにあせった彼女は、夏目を頼ったというわけだ。
夏目はなんとかその男性を見つけるが、当然その男性は彼女のことを覚えておらず……


夏目友人帳らしいけど、今までとはちょっと違うかんじのお話。好きな話です。人と妖の違いが切なくていとおしいです。
知らず知らずの間に夏目は随分妖たちのことを理解できるようになりましたね。どうしようもないことをなんとかしてやろうとは思わず、本人(妖)が納得できる道をみつけてやる。そういう折り合いのつけかたがうまくなったなぁと思います。本当に優しい男の子です。


第五十七・五十八・五十九話
「変わらぬ姿」
夏目は自分のせいで周りの人たちが危険な目にあうことを恐れるあまり、慎重に行動するようになっていた。
そして、レイコはどうやって自分の身を守っていたのだろうと考え、レイコのことを知りたいと願う。
塔子さんのおつかいで街に出た夏目は、たまたま父方の親戚と再会する。レイコの話を聞きたい夏目は思い切って話し掛けるが、結局新しい話は聞けなかった。レイコは、未婚のまま夏目の母親を産んだのでよく思われていないのだ。
しかし、妖怪たちの記憶に残るレイコはいつも笑っていて、夏目はそのギャップに戸惑う。
そんなある日、夏目は壺に入った不気味な妖怪から宝物を返せと迫られる。レイコがその妖怪から宝物の人形を盗んだと聞いて夏目はショックを受ける。妖怪は人形を返さなければ夏目の宝物を奪うと脅し、夏目は人形を探す。そして成り行きで知り合った優しい妖怪の記憶を見たことで、真相を知る。やはりレイコは優しく、強く、そして孤独な人だった。
夏目は自分の大切なものの守り方をみつけようと誓う。


レイコさんの話の中に出てきた男の人が夏目の祖父なんでしょうか。夏目がニャンコ先生を封じたのは祓い人かなと考えるシーンでドキドキ。やっぱりそうなのかな。
レイコさんはいつも素敵ですが、夏目には彼女とは違う道を歩んでほしいですね。切なすぎるので。
夏目の宝物候補の中になかなかニャンコ先生が入らなくてヤキモキ(笑)結局入ってましたが。
信頼しあう相棒関係が私のツボで、男女、男男、女女はもちろん、男の子とニャンコの組み合わせも最高です!!こう、背中合わせの関係とか見ててテンション上がりません?私は上がります。
夏目もいろいろ考えていますね。これまでは流されるままに妖怪たちと関わってきましたが、大切な人が増えて選択肢も増えて。彼がどういう選択をしていくのか楽しみです。


最後に特別編
夏目観察帳6
中級たちは夏目に綺麗な花を見せようと無理矢理吹きっ晒しの崖へ連れ去る。その場所は風が強く夏目は風邪をひく。
責任を感じた中級たちは夏目のためによく効く熱冷ましを用意して届けたが、ヒノエからあれは人間には効かないと言われてしまう。
あんなに苦労したのにとガッカリする中級たち。しかし彼らのもとに熱が下がった夏目が礼を言いに現れて……。


みんな夏目のこと好きすぎる。可愛いなぁ。こういう笑えてほのぼのする話っていいですね。


柱のキャラ紹介も続いてます。
タキは、夏目がきつい時も一緒にいればニコニコしてしまうようなやわらかい子に描いていきたいとのこと。
しっかりそんなかんじですよ!と、力強く同意しました。タキ好きなんです。可愛いです。
名取はやっぱり不思議な人だなと。
柊はなんか意外でした。夏目は名取が彼女を式として縛っていることに抵抗があるんですね。少年らしい潔癖さでそれはそれで好ましいと思います。




高柴