まほろ駅前多田便利軒

高柴です


三浦しをんさんの「まほろ駅前多田便利軒」を読みました。

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

先日の「風が強く吹いている」がすごく好みだったので、さっそく他の三浦さんの作品を。
面白かったです。スルスルと読めた印象。
あらすじは
東京のはずれにあるまほろ市で便利屋を営む多田は、ある依頼を終えたところで偶然高校の同級生だった行天と再会する。高校時代、まったく口をきかないというかなりの変人だった行天は、一応しゃべるようにはなっていたが変人っぷりは相変わらず。行くあてがない行天に、多田はしぶしぶ事務所兼住居への居候を許可する。実は多田には行天に対する負い目があった。そんな多田の葛藤など気にもとめない行天は、誰にも理解できない彼のペースに従って多田の仕事を手伝ったり複雑化させたりする生活をスタートさせる。
二人の不思議な関係と奇妙な共同生活。彼らが請け合う依頼につながる事件たち。
多田はなぜこんな面倒なことになったのかと首をひねりつつ、黙々と仕事をこなしていく。しかし頼りになるのか邪魔なのかわからない行天の存在は多田が忘れたいと願う過去と向き合うきっかけを与え、彼の心をかき回す。
多田が目をそらしつづける過去のできごととは?



みたいな話。
行天の無邪気なのか冷酷なのか親切なのかよくわからない性格が愉快。二人が依頼を通して巻き込まれる事件と少しずつ明らかになる二人の過去も面白かったですが、多田行天コンビのやりとりが特に好みでした。
繋がりのある短編集で、複雑な話でもないので気楽に読めます。三浦さんの作品に興味のある方にオススメ。




高柴