風が強く吹いている

高柴です


三浦しをんさんの「風が強く吹いている」を読みました。

風が強く吹いている (新潮文庫)

風が強く吹いている (新潮文庫)

三浦さんは今、一番旬な作家さんの一人ですね。まったく読んだことがなかったので、有名な作品を手に取りました。
文句なしに面白かったです。すっごくよかった。登場人物は魅力的だし、ストーリーは青春もので大好きだし、ギャグも笑えるしちょっと泣けるし、スカッとするし。これは三浦さんにハマりそう。
スポーツ青春ものということで、森絵都さんのダイブ!をイメージしていたのですが、こちらのほうがやや文章がかっちりした印象。主人公たちの年齢を考えると、どちらも絶妙な文章だと思います。


ストーリーは、
寛政大学の新4年生、清瀬灰二(ハイジ)はボロアパート竹青荘のお母さんのような存在だ(つまり最強)。彼には密かな夢があった。それは、竹青荘の住人たちでチームを作り、箱根駅伝に出場すること。陸上と無関係な日々をおくるのんきな住人たちはそんなハイジの野望に気付かず、知らず知らずのうちに彼に胃袋と弱みをつかまれていた。
そして、とうとう竹青荘に10人目の住人がやってきてハイジの計画が動きだす。箱根駅伝には最低でも10人の仲間が必要だったのだ。しかもその10人目は天才ランナー蔵原走(カケル)。ハイジは仲間たちを脅したり宥めたりしつつ、的確なコーチングでチームを引っ張っていく。そして辛い練習に弱音をはきながらも諦めない仲間たちは、ハイジの期待に応えていく。
彼らは箱根駅伝に出場できるのか?彼らはどんな走りをみせてくれるのか?


みたいな話。
10人とも個性的で、本当にいい奴ばかり。たまに喧嘩もするけど、お互いを許し信頼しあう姿は走る姿と同様にうつくしいです。
じーさんもワンコも可愛い女の子もみんなまとめて巻き込んで脇目もふらず前進していく彼らの輝きが目に見えるようでした。力強く、爽快で読みおわるのが惜しいくらい楽しくて仕方がありませんでした。わりとページ数は多い方だと思いますが、途中でダレることはなく、スピード感と緊張感をもってラストまで疾走しているイメージです。
これは青春モノが好きな人にはたまらないんじゃないかと思います。




高柴