怪笑小説
高柴です
東野圭吾さんの「怪笑小説」を読みました。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1998/08/20
- メディア: 文庫
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「怪笑」というだけあって、ひとくせもふたくせもある「笑い」ばかり。
オチでニヤリと笑ったのは「一徹おやじ」
子供をプロ野球選手にするのが夢の父親と、そんな父親の期待にこたえて必死に努力する息子。そんな彼らを少し冷めた目で見守る娘。そしてとうとう父親の夢がかなう日がくるが…。
娘視点で話が進むのが面白いです。彼女視点だからこそ、オチが笑えるのだと思います。
「おっかけバアさん」と「無人島大相撲中継」はちょっとコワイ笑い。
「逆転同窓会」はちょっと皮肉っぽい笑いかなぁ。
引退した高校教師たちが、自分たちの集まりに昔の生徒たちを呼ぼうと計画する。生徒たちの同窓会に先生が呼ばれることはよくあるので、その逆バージョンを試してみようというわけだ。しかし呼ばれた生徒たちは教師たちの想像をはるかに超えていた。「立派すぎる」教え子たちの話についていけない元教師たちは居心地の悪い思いをすることになるが…
いつまでも「昔」をひきずっている元教師たちと「今」輝く元生徒たちの対比が面白かったですが、オチもよかったです。
「しかばね台分譲住宅」は途中から感覚が麻痺してきて笑えます。自分たちの住宅区の評価を守るために突如現れた死体を押し付け合う話。
「あるジーサンに線香を」は切ない話でした。ジーサンの日記形式で進むのがわかりやすくてひきこまれました。
若返る実験に協力することになったジーサンの話なんですが、言葉遣いなどもどんどん変化して臨場感がありました。
「超たぬき理論」は傑作。UFOの正体はタヌキであるという説を提唱する話。
信じる者は救われるじゃありませんけど、迷いのない人は最強だという強烈な例ですね。主人公がUFO=タヌキであると信じて一切それについて疑いを持っていないのが最高に笑えます。
なんでそうなるの!?と思いつつ、畳みかけるようなヘンテコな理屈に爆笑。あまりの勢いと熱意につい説得されそうに…はさすがにないですが、読んでいて楽しかったです。
この笑いシリーズはどれも面白いです。今のところ歪笑小説が一番笑えましたがどれも良かったと思います。
高柴