しゃべれどもしゃべれども

高柴です


佐藤多佳子さんの「しゃべれどもしゃべれども」を読みました。

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

前から機会があれば読もうと思っていた本。
うーん。面白かったけど
本の雑誌が選ぶ年間ベストテン」第1位に輝いた名作
と言われるとなんか微妙。失礼ながらそんなに面白かったっけ?と。
そんなわけで、年間ベストには首を捻ってしまいますが、面白く読みました。


あらすじは
落語家今昔亭三つ葉は、なりゆきで4人の素人たちに落語を教えることになる。
4人は年齢も性別もバラバラだが、「しゃべる」ということに深い問題を抱えていた。特に落語が好きというわけでない教え子たちの悩みに三つ葉はどう向き合えば良いのかわからない。
悩みつつもお節介をやき、ことごとくそれが裏目に出る日々。とうとう三つ葉は自分自身も深い悩みに落ち込み、仕事も恋もうまくいかなくなる。
しかしある騒動をきっかけにヤケクソに前進すると今度は少しずつうまくいきはじめる。
最初はまったく仲良くならなかった教え子4人と三つ葉だが、同じ時間を過ごすうちに少しずつ仲間意識が芽生えてくる。そうしてお互いに影響を与え合って彼らは一歩だけ前に進むのだった。


みたいな話。
イイ話なんですが、あんまりスカッとはしません。主人公の三つ葉が短気でお節介な江戸っ子なんだから、もうちょいスカッとするエピソードがあったらうれしかったなぁと思いました。都合良くうまくいくようなエピソードが多ければ雑誌の評価は低かったかもしれません。しかし私はもっと豪快な話を読みたかったです。なんだか読んでいて三つ葉が窮屈そうに感じました。
完全に好みの問題ですが、私は少し不完全燃焼。
でも登場人物はそれぞれ好感が持てましたし、一応ハッピーエンドなので気持ちよく読み終えることはできました。




高柴