映画「宇宙兄弟」

高柴です



映画「宇宙兄弟」を観てきました。


面白かったです!!


漫画のファンなので、実写化には複雑な気持ちでした。
苦笑い半笑いどころか激怒することも多い漫画の実写化。しかも宇宙兄弟なので絶対CGを使うはず。日本のCG技術の残念さはもはやギャグの域。主演二人はいかにも女性をターゲットにしてみました感満載。お気に入りキャラのケンジはイメージと違うし、前売り買わなきゃよかったかな〜と思っていたのです。
が!とっても楽しめました。
やっぱり実際に見ないとわからないもんですね。
そんなわけで、私と同じようにひねくれている宇宙兄弟ファンにもオススメです。


以下、ネタバレあり(結末は伏せます)の感想。




簡単にあらすじ
上司に頭突きをして勤めていた自動車メーカーをクビになったムッタはある日、JAXAから宇宙飛行士試験の通知を受け取る。それは兄に5年に1度の試験を受けさせようという弟ヒビトの仕業だった。ヒビトはすでに宇宙飛行士になっており、日本人初の月面着陸の任務を間近に控えていた。
ヒーローになっている弟と宇宙飛行士の夢を諦めていた兄。
しかし弟は子供のころの兄との約束を諦めていなかった。
ヒビトに背中を押され、ムッタは再び夢を叶える決心をする。試験は厳しいものだったが、ムッタはなんとか3次試験まで残る。3次試験にはムッタが一目惚れしたせりかさんや友人になったケンジも残っていた。
6人で10日間共同生活を送る3次試験は、ストレスがたまるものだった。それに追い打ちをかけるようにムッタに試験官たちから辛い指令が出る。一気に険悪になった空気をなんとかしようとムッタがとった行動とは?
一方、ヒビトは無事に月へ到着し順調に任務をこなしていた。しかし、そんな彼と仲間に大きな危機が。生死をさまようヒビトの運命は?


みたいなかんじ。
かなり端折ったり変えたりしてありましたが、見ごたえがありました。これなら、原作を知らない人でも十分ついてこられるんじゃないかな。
ひとつだけ残念だったのはムッタが月へ向かって(?)全力疾走するシーン。観客を泣かせようという作り手側の鼻息が聞こえてきそうでかなり気持ちが冷めました。やたら長いし。ムッタ、はよ官制室へ行けよと思わずツッコミ。原作ではムッタはヒビトを助けようといろいろ考えたり案を出したりするので、無駄に走る映画ムッタに苦笑い。
でも他は本当に良かった。何度も吹き出したり涙ぐんだりしました。
ヒビトが月でクレーターに落ちるシーンは、原作の絵よりショッキングでした。しかし、ヒビトがなんとかもがいて仲間を助けて自分も助かろうとする一連の流れはわりとざっくり削ってあったので原作のほうがハラハラしました。
星加さんが原作とえらくビジュアルが違うなぁと観る前は思っていたのですが、たとえ外見は違っていても映画の星加さんはきちんと星加さんでした。あの優しさ、おちゃめさ、厳しさが再現されていたと思います。
主演二人ですが、やっぱりムッタはちょっと厳しい。イケメンすぎる。えーっとこのイケメン誰だっけ?ああムッタだったと、何度もそう思ってしまいました。ヒビトはほぼ完璧。ちょっとびっくりするくらいちゃんとヒビトでした。
映画は子供時代の兄弟もよく出てくるんですが、やはり外見はヒビトのほうがピッタリでした。しかも大人ヒビトの俳優さんにも似てるし。ムッタは、外見よりもしゃべり方とかしぐさがムッタらしかったです。ムッタの面白さを上手に表現していました。
ムッタたちの両親は…もうちょいハマる人がいたのでは?と。
せりかさんは漫画からそのまま出てきたようでした。すっごく可愛い。
そしてケンジ…うん、やっぱりなんか違う。ケンジは無駄に爽やかで無駄に良い奴なんですよ。そういうケンジの「無駄さ」がなかったように思います。フツーに爽やかで良い奴になってたなぁ。
まぁ、私がムッタとケンジのファンなので見る目が厳しくなっているというのは当然あります。


私が一番驚いたのはラスト。そうくるのか!と、笑ってちょっと泣けました。
こういう潔さが大好きです。小さな不満もいくつかあった映画ですが、すべてを吹き飛ばす勢いのあるラストでした。あれを見られただけでも映画館に行ってよかった。


そんなわけで、宇宙兄弟ファンも読んだことのない人も、映画館かテレビで一度は見てもらいたいなと思います。大好きな宇宙兄弟をたくさんの人に知ってもらえたらうれしいです。



高柴