歪笑小説

高柴です


東野圭吾さんの「歪笑小説」の感想です。

歪笑小説 (集英社文庫)

歪笑小説 (集英社文庫)

爆笑ものです。すごく面白かった。


ストーリーは
大手出版社の灸英社の編集者たちは常に戦っている。敵はベストセラー作家を奪い合うライバル会社、一癖も二癖もある作家たち、本をなかなか買わない読者。すべては「赤字」回避のため。彼らはあの手この手禁じ手までもを駆使して今日も本を売るのだった。


みたいな雰囲気。


滑稽な中にも作者の切実な「想い」が込められていて、ああこの人はこれほどまでに出版界の未来のことを考えてるんだなぁと。東野さんは今の小説界にもっとも貢献している作家さんの一人ですが、出版界のことを痛烈に皮肉りながらも先輩方に敬意を持ち、これから出てくる作家や読者のことを案じる姿勢に好感を持ちました。


テーマは「笑い」ってことでいろんな笑いが盛り沢山。皮肉っぽい笑いが一番多いのですが、微笑ましい笑いとかすっきりした笑いもあって楽しかったです。最後の宣伝モドキのページが秀逸。こういう遊び心がたまらなく好きです。さりげなく未来のことまでわかってほのぼのしたり吹き出したり。(筆の道が!!爆笑!)


そんなわけで、最後までとことん面白い「歪笑小説」オススメです。




高柴