キング&クイーン

高柴です


柳広司さんの「キング&クイーン」を読みました。

キング&クイーン (100周年書き下ろし)

キング&クイーン (100周年書き下ろし)

久しぶりの柳作品。なかなか面白かったです。
最後はけっこうあっけないというかちんまりまとまるんですけど、納得できましたしミスリードの種明かしもスマートだったと思います。
柳さんのジョーカーシリーズと比べるとちょっと印象が弱いかなぁといった感じですが、とにかく読みやすかったです。長編なんですが、スラスラ〜っと簡単に読めます。
あらすじは
愛想のカケラもない元女性SP冬木安奈は、ある日突然元チェス世界王者アンディの警護を依頼される。安奈は無理やり巻き込まれた状況の中で、何度も冷静にその場の「違和感」をかぎ取り依頼人たちを守ろうとするが、アンディはかなり変わった男で素直に安奈の言うことを聞かない。さらに安奈は元上司からアメリカ人のアンディが国家反逆罪に問われておりアメリカ大使館からパスポートの失効を宣言されていることを聞かされ、彼から手を引くように忠告される。
しかし安奈はアンディを守ることを決意。その決意の裏には、彼女がSPをやめるきっかけになったある事件への思いがあった。
“アンディ”の過去と安奈の過去、そして現在と視点はめまぐるしく動きつつも状況はどんどん終幕へと向かう。


みたいな話。つまり元SPという警護のプロと超一流のチェスのプロの話なので、とにかくかっこよかったです。安奈も全然愛想がよくないわりに優しくて非常に好感がもてる女性でしたし。あ、アンディにはパートナーというか助手のような女性がいるので、安奈とアンディの恋愛路線はまったくありません。というかアンディはそういうタイプじゃないというか…。

そんなかんじで、軽く読むには非常に良い作品だと思います。ちょっと帯のキャッチ・コピーは言い過ぎかなぁとは思いましたが。頭脳戦かと言われるとうーん?これって頭脳戦かなぁとちょっと首をかしげてしまいますね。
ちょっと楽しみたい、わくわくしたいという方にオススメです。



高柴