きつねのはなし

高柴です



森見登美彦さんの「きつねのはなし」の感想です。

きつねのはなし (新潮文庫)

きつねのはなし (新潮文庫)

薄気味の悪い話の短編集…という印象。
そういう話なんだろうなとは思っていましたが、本当に暗かった。他の森見さんの作品とはまったく雰囲気が違います。クスリとも笑えないです。
最初から普段の森見さんの雰囲気を期待してたわけではないので暗いのは別にかまわなかったのですが、なんというかびっくりするくらい面白くありませんでした。
森見さんといえば、あの独特の語り口調が有名だと思いますが、話そのものもしっかり面白いのです。ちょっと文章が変わってるというくらいなら一冊で飽きますが、話が練られているので意外と飽きないのが魅力…だと思っていたのですが、今回の「きつねのはなし」は読んでいて一話目から眠くて眠くて。


不思議でちょっと不気味な話を目指したんだろうなというのはなんとなくわかりますが、不思議さや不気味さの演出に力を入れた結果、いつものストーリーの面白さを置き忘れているような気がしました。


さりげなく悪口ばかり書いてしまいましたが、私は基本的にホラーに興味がない人間なので点が辛くなっていると思います。すみません。
こういう傾向の話が好きな人にはたまらないかもしれません。





高柴