深川澪通り木戸番小屋
高柴です
北原亞以子さんの「深川澪通り木戸番小屋」の感想です。
- 作者: 北原亞以子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1993/09/03
- メディア: 文庫
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女性の作家さんの時代小説って爽やかだったり綺麗だったりすることが多い気がします。歴史小説は多少汗臭いくらいのほうが臨場感があって面白いですが、人情ものの時代小説は爽やかなものも汗臭いものもどちらも好きです。
さて、この「深川澪通り木戸番小屋」は、木戸番夫婦が主人公。木戸番にしては不思議と品のあるワケありな夫婦が、町内の悩みや問題を抱えた人々と触れ合うことで、いつのまにか彼らを癒して問題や悩みを解決していくという話。主人公は50歳前後の夫婦なのですが、穏やかで思いやりに満ちていてしかもとても明るいので、こちらも穏やかな気持ちで話を追うことができます。
読む前はこの夫婦が知恵を授けて問題解決みたいな流れなのかなぁと思っていたのですが、そんなかんじではなく。巷説百物語とかが好きなので、そこはちょっと残念でしたが、こんな人たちがいてくれたらいいなぁと思いました。押しつけがましいところがなく、とても魅力的な夫婦で、彼らの過去がもったいぶらずにさらりと明かされるのも良かったです。
良い人情ものでした。
高柴