バッドラック・ムーン

高柴です



マイクル・コナリーの「バッドラック・ムーン」を読みました。

バッドラック・ムーン〈上〉 (講談社文庫)

バッドラック・ムーン〈上〉 (講談社文庫)

以下ネタバレありの感想です。


主人公が女性のハードボイルドって面白くするのが難しい気がします。
この小説は女性のプロの泥棒が主人公。現在仮釈放中で真面目に自動車販売員として働いていたが、彼女には密かな計画があった。その計画を実行に移すため、彼女は忍耐強く準備を進めてきたが、とうとう最後の仕上げに大きな「仕事」を受けることを決意する。仕事は順調に終わったが、彼女が盗んだ金はマフィアがらみのいわゆる「ヤバイ」金だった。周りの人間が次々と殺されていき、とうとう最愛の人を人質にとられた彼女は決死の覚悟で反撃に転じる。
ラストは救いがあるけれども少し切なく苦く。


という雰囲気の作品で、主人公が反撃に出てからは面白いのですが、それまでが少しグダグダします。無駄に人が死ぬのにグダグダ。主人公が読者に対して「秘密」を持っているパターンなのですが、そんなに目新しい秘密でもなく逆にここまで引っ張ったのにその程度のことだったのかとちょっとガッカリさせられました。本筋の展開も一応何度かひっくり返ったりするのですが、ハッとさせられることもなく、なんとなく最後まで読んじゃったけど結局コレだけかぁと思ってしまいました。
なにより主人公にイマイチ魅力がない。もう少し可愛げのある人のほうが私は好みだなぁ。アメリカ人はこういうクールな女性が好きなのかな?

そんなわけで、普通に最後までつきあえるけど可もなく不可もなくというかんじの作品でした。ああ、そろそろ面白いミステリとめぐりあいたい。


高柴