御当家七代お祟り申す

高柴です


久しぶりに佐藤雅美さんの本を読んだので、感想です。
「御当家七代お祟り申す」半次捕物控シリーズです。

御当家七代お祟り申す 半次捕物控

御当家七代お祟り申す 半次捕物控

縮尻鏡三郎シリーズの「老いらくの恋」と同様、なにか訳ありなキーキャラが出てきて、ちらちら影を見せながら最後にその人物の事件を扱うという流れです。でも「老いらくの恋」のほうが面白かったですね。
すべてのシリーズを読んでいますが、半次が一番カッコイイと思います。どの主人公も大好きですが、半次は最初に顔を合わせたキャラなので、思い入れがあります。みんな同じ時代にいるんですよね。立場が見事にバラバラなんで出会うことはないですけど。あ、でも一度八州廻りで半次が出てきたことがあったような?昔すぎて記憶は曖昧ですが。一度皆で協力して事件解決みたいな話を読んでみたいなぁ。得意分野が違うので面白そうですが、話を考えるのがめちゃくちゃ難しそうですね。そもそも誰を主人公にするかで迷いそう。でも彼らは
「いや、主人公は自分じゃなくていいっス(面倒だし)」
ってお互い主役の座を譲りあいそうなイメージです。そんな彼らが好きです。



今回もやはり短編集なんですが、珍しくぱっとしない話ばかりでした。いつももっと面白いのになぁ。ちょっと残念。
まぁ半次が一番好きなので期待が大きかったというのもあります。
小三郎が相変わらずちょくちょく出てくるのですが、今回は珍しくあんまり半次に迷惑をかけませんでした。ほんの少しだけ小三郎を見直しました。彼の場合、期待値が低すぎて普通にしてるだけでよく見えるんですけどね。
表題作の話の中心人物は最初から登場して他の話にもチラリと影をみせるんですが、この人物武田新之丞がなかなかのスーパーマン。題名通りの敵討ちを胸に秘めた人なのですが、その相手や動機が大きな謎になっています。1話からさりげなく伏線を張って最終話に繋げているのはさすがだと思います。半次が立回りを演じたり、西へ旅に出たり、小三郎がちょっとおとなしかったりと、それなりに珍しいエピソードが多かったので、半次捕物控ファンならきっちり楽しめると思います。そういえば、今回は半次の手下たちの影がものすごく薄かったような…。初めましてのご近所さんがよく出てきたかんじです。


うだうだ書きましたが面白かったです。やっぱり半次大好き。




高柴