長いしっぽのポテトおじさん

高柴です


もうすぐ母の日ですね。
今日は母の日に親子で読んでいただきたい大好きな児童書をご紹介します。
上崎美恵子さん作、笠原美子さん絵の「長いしっぽのポテトおじさん」です。

長いしっぽのポテトおじさん (岩崎幼年文庫 (29))

長いしっぽのポテトおじさん (岩崎幼年文庫 (29))

残念ながら現在絶版中…。中古なら比較的簡単に手に入るようですが。図書館にはほぼ確実にあります。
これは今でもたまに読み返すのですが、毎回きっちり泣きます。セリフもオチも暗記してるのに泣きます。単純なのか純粋なのかアホなのか…。ま、単純でアホなんでしょうな。
あらすじは
小学2年生の女の子リナは1年ほど前にお母さんを病気で亡くして以来、優しいお父さんとペットの犬のポテトおじさんの2人と1匹家族。ポテトおじさんは茶色の雑種で本名はポテトチップスという。その名の通り、ポテトチップスが大好物の平凡な(?)犬だ。ずっとポテトちゃんと呼ばれていたが、歳をとり毛に白いものが混じりはじめたため、リナのお父さんが「これからはポテトおじさんと呼んでいたわってあげようね」と提案。以後、ポテトおじさんと呼ばれることに。
ここまではありがちな普通の良い話なのだが、ポテトおじさんはただの犬ではなかった。リナが「ポテトおじさん」と呼ぶようになったとたん
「なんだい?リナちゃん」
と返事をするようになったのだ。不思議なことに、ポテトおじさんの言葉がわかるのはリナだけ。他の人には「うわう、うわうん」とほえているようにしか聞こえない。
ポテトおじさんは雑種でおじさんだけど、とっても素敵な犬。リナが困っていたり嫌な気持ちになったりしていると必ずリナのもとに駆け付け、彼女を守ってくれるのだ。雨から、大人たちの好奇の視線から、悲しい気持ちから…。傘で、芸で、言葉でリナを救うポテトおじさんはときどき頑固だったり怖がりだったりするけどいつだってカッコイイのです。
物語は主人公のリナの春夏秋冬の日常生活で起こるちょっとした出来事を中心に進みます。
推薦図書の本書。
この本で感想文を書かされた人は多いのでしょうね。感想文なんて悪しき伝統、はやくなくなってしまえばいいのに。原稿用紙5枚も小学生に書かせるなんて本を嫌いになれって言ってるようなもんです。
これを読んで犬が欲しいなぁと思う人も「愛」について考える人も、ただ涙を流すだけの人もいるでしょう。どれも大切なことで、わざわざよそ行きの言葉で文章にするようなことではないと私は思うんですけどね〜。
そんなわけで、児童書だけど子供にうっかり読み聞かせをしたら先に親が泣く確率が非常に高いと思われる「長いしっぽのポテトおじさん」、子供だけに読ませるのはもったいないと私が思う児童書の一冊です。




高柴