ナイルに死す

高柴です


先日、古本屋さんでアガサ・クリスティの「ナイルに死す」を見つけ、うきうき購入しました。「ナイルに死す」は名作と評判なので機会があれば読もうと思っていたのです。
「ナイルに死す」の探偵はポワロ。それぞれの事情でエジプト旅行に来た登場人物たちが、同じナイル川をさかのぼるクルーズ船に乗り合わせる。そのなかで一際目立つのは莫大な財産と美貌をもつ若い女性。彼女は夫と新婚旅行に来ているのだが、その夫というのはつい2ヶ月前まで親友の婚約者だった男性で、いわゆる奪略婚。親友の女性は、激しい怒りと小さなピストルを持ってずっと新婚旅行中の2人につきまとう。
ポワロはそんな彼らを心配するが、とうとう事件は起こる。そして第2第3の悲劇が。船の客たちはみな上流階級の人間で、一見事件に無関係に見えるが、行動が怪しかったり被害者と意外な接点を持っていたりと容疑者だらけ。しかもポワロは知り合いと再会し、彼が追っている工作員も乗客に含まれていることを知る。
殺人事件、盗難事件、工作員の正体。これらすべてに超一流の名探偵ポワロが挑む。

ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

みたいな話で、面白かったんですが…。
最初に訳者からのメッセージで、
登場人物が多いけどちゃんとチェックしてゆっくりしっかり読んでね!
って書いてあったんで、ゆっくりしっかり読んだら…
なぜか死体が見つかる前に犯人とトリックわかっちゃった…。
全然自慢になりませんが、私はアホなのでミステリは基本的に作者にコロッと騙されます。犯人もトリックもわからず、最後にリアクション要員の登場人物たちと共に、「ほほう!」とびっくりします。だからミステリが好きなのかもしれません。
しかし今回のトリックはあまりにもクリスティらしいトリックでした。ど真ん中ってかんじ。ですので、クリスティをあまり読んでいないうちに読まれることをオススメします。
ちなみに、殺人事件よりもミス・コーネリアという女性の恋の結末のほうに驚かされました(笑)あれは意外だった。びっくりした。
ポワロもミス・マープルも若い恋人たちが好きですよね。共通点の少ない2人の名探偵の微笑ましい共通点です。



以前、友人と話をしていたとき、
「外国の話は登場人物の名前がなかなか覚えられないから苦手」
と言われ、驚いたことがあります。
「え?あんなながったらしい登場人物のカタカナの名前覚えるの?」
と。そう。私は基本的に名前は読みません。物語の後半になると、さすがに主要人物の名前は自然に頭に入ってきますがわざわざ覚えたりはしないです。ではどうやって話についていくのかというと、名前の「形」を覚えています。カタカナの名前って意味を持っていないので読むと時間がかかるし、わざわざ丁寧に頭の中で発音してたら読むリズムが狂うんです。
時代小説でも、あんまり長い名前だと漢字の「形」だけ覚えて名前の「音」は覚えなかったりします。
私の読み方は間違っているのかもしれませんが、子供のころからのクセなので今さら直りません。でも、オススメもできません。というか、この感覚がわかる人はすでに私と同じクセをお持ちの人で、わからない人にはきっと意味不明だと思います。すみません。もしかすると同じ読み方をしてる方がいらっしゃるかもと思い、ちょっと書いてみました。読書にもいろんな癖がありますよね。




高柴