リンカーン弁護士
高柴です
最近、ミステリで当たりが出ないのでイライラしてマイクル・コナリーに逃げました。コナリーなら少なくともガッカリさせられることはないかなと。
そんなわけで、読み終えたのが「リンカーン弁護士」です。いわゆる法廷モノというやつです。
- 作者: マイクル・コナリー,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/06/12
- メディア: 文庫
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そんな彼に、おいしい仕事が舞い込んだ。暴行容疑で逮捕された資産家の青年の弁護をまかされたのだ。常に様々な支払いに頭を悩ませているハラーは、一気に多額の報酬を手にすることができるチャンスに張り切る。
依頼人は女性を襲った容疑で逮捕されたが、無実だと主張する。襲われた女性のほうにも怪しい点が多く、ハラーはもしや本当に無実の人間の弁護をすることになったのではないかと恐れる。刑事弁護士にとって無実の人間ほど恐ろしい依頼人はいないのだ。
順調に調査を進めていたハラーだが、あることに気付いてしまう。それは、過去に自分が弁護し、結果的に最悪の事態を回避したのみに終わった依頼人の事件が深く関わっていた。
無実の人間は誰なのか?
ハラーは自分の過ちの償いと、自身に降り掛かった危機からの脱却を同時にこなそうとする。
追いつめられるハラー。彼は無事に乗り切れるのか?
というストーリー。結末に少し苦みが残るのも良いです。
上巻のラストでゾクッとして、後はものすごいスピードで進みました。法廷での主人公の緻密な戦略は読んでいて面白かったですし、司法制度の在り方についても考えさせられました。
日本では、無罪という表現を使いますが、厳密には「有罪ではない」という表現が正しいのではないでしょうか。無罪=冤罪ではない難しさ。裁判員にはなりたくないなぁと改めて思ってしまいました。完璧に法に則った判断をくだせるかイマイチ自信がありませんね…。
話がそれました。「リンカーン弁護士」は、私のコナリーへの期待を裏切らず、最後まで楽しませてくれました。法廷モノがお好きな方には特にオススメです。
高柴