ゾロ・ザ・ミュージカル!!

高柴です


前にちらりと言っていた(2月6日の日記)ゾロのミュージカル観てきましたー!!
すごくよかったです!やっぱり舞台っていいですね。そして確信しました。


このミュージカル作った人、単にフラメンコをやりたかっただけだよね?


ゾロにフラメンコがくっついているというより、フラメンコにゾロがくっついてたかんじですね。フラメンコ超カッコよかった。そしてギターの生演奏も素晴らしかったです。ミュージカルで生演奏だと得をした気分になります。
…もう原作のゾロなんて何それ状態でした。ここまで変えてたら逆に清々しいというかもう完全に別物として楽しめました。
私の周りにもお一人様はたくさんいらっしゃいました。年齢層もバラバラですけど、意外と年配の方も多かったです。
お目当ても皆さんバラバラでした。お隣さんは島田歌穂さんを見に来られたそうです。後ろにいたグループもどなたかのファンのようで、差し入れ云々の話をされていました。
まぁ私ほどのゾロ作品馬鹿はそう多くはいらっしゃらなかったと思います(笑)
では以下ゾロファンから見た感想です。芸能関係に疎いため、役者さんのことはまったくわかりません。ストーリーのあらすじは公式サイトで見てください。大阪公演が最後ですし、残り2日なんで気ままにネタバレしまくります。ご注意を。




大塚ちひろさんの声って日高のり子さんの声に似てるような気がする。舞台が始まってからずっと、なんかアニメっぽいなーと思っていたのですが、途中でハッ!日高のり子?と気付き、すっきりしました。めちゃくちゃ可愛い声で、歌もダンスも役柄によく合っていらっしゃいました。大塚さんはヒロイン役、原作のロリタにあたるルイサという女の子でした。原作ではロリタ以外に若い女性はいないんですが、この舞台には強力な魅力を持つ女性、イネスが登場。ディエゴがスペインで行動をともにしていたジプシーの仲間のひとりで、ディエゴと一緒にカリフォルニアにやってきてサポートをしてくれる女性です。当然ゾロの正体も知っています。気丈で美しく頭の良いかっこいい女。
ぶっちゃけイネスが主役だよね?
ってくらい目立ってました。ゾロとルイサより出番多かったような気がしますよ(笑)またイネス役の島田歌穂さんが反則に近い上手さなんです。イネスが出てくると舞台全体が安定してましたもん。かっこいいし歌うまいしダンスうまいしコメディエンヌとしても完璧だし、もう彼女に夢中になってしまいました。
この舞台で本当にうまいなぁと思ったのはルイサの性格設定です。普通なら絶対イネスの存在感の前に霞むと思うのですが、ちゃんとルイサはイネスと互角でした。もうとにかく可愛いんです。しかも、女からみてイラっとくる‘カワイイ’じゃなくてニコっと微笑みたくなる‘可愛さ’で、ちゃんとヒロインでした。脚本書いた人すごいわ〜。
で、主役のディエゴですが…。うん。坂本くんピッタリでした。特にコメディのところが本当に面白かった。だから、坂本くんに文句はひとつもないんですが…。
帰りに聞こえてきた話のほとんどが
「オ○マ演技超よかった!!」
だったのはちょっと…。
そう、ディエゴがなぜかオカ○になってた…。


ちがーう!!ディエゴは確かに世界で一番かわいいけれど、そしてたまにアホだけれど、断じて○カマさんではなーい!!


と、ウケてた人たちに言いたかったです。
いや、私のディエゴ像もアニメのディエゴなんで原作から相当離れているんですけどね。もちろん、原作のディエゴも大好きですよ。あの気障さとお茶目さが好きです。たぶん原作のあの気障な部分がああなったんだろうなぁ。
でもディエゴの
「ラモンちゃ〜ん」
にはさすがに笑ってしまった。坂本くんはちゃんとディエゴとゾロの声を分けていました。エライ♪
ラモンは本当に可哀想だったけど、完全に病んでいました。病んでるラモンも斬新ですね。育ての親であるアレハンドロの愛情を最後まで信じられなかった彼が哀れでした。それにしてもアレハンドロもあんなにアッサリもうお前は私の息子じゃないとか言わなくても…。
原作・映画・アニメすべてを通して、ディエゴと父親のアレハンドロの関係はある共通点を持っています。それはディエゴのアレハンドロへの尊敬です。これだけは全部同じです。おそらく時代も関係しているのでしょう。父親という存在が大きかったのですね。今回のミュージカルもそれは同じで、さらに父親の息子への愛情がひとつのテーマになっていました。


そんなかんじで、重いシーンもあったりするのですが基本的にあれ?ゾロってコメディだっけ?ってくらいコメディでした。原作のゴンザレス軍曹ポジのガルシア軍曹が処刑練習に使う人形にゴンザレスと名付けて熱い友情を育んだり、ディエゴがゾロに変装するときに黒いマントしか見つからなくて
「お気に入りの赤いマントがないっ」
って取り乱してイネスに
「アレ捨てたよ。だって臭かったもん」
って言われたり(笑)
映画で何度か使われたゾロが教会の告解室に逃げ込んでたまたま居合わせたヒロインが神父と勘違いしていろいろ告白してしまうシーンは、ヒロインの代わりをラモンがつとめ、えらくときめかないシーンになっていました(笑)
あと、最後にラモンと戦うとき覆面をとるんですが、剣で戦う敵役がゾロの正体を知るパターンって映画のアラン・ドロンのゾロとアントニオ・バンデラスレジェンド・オブ・ゾロくらいだっけ?マスク・オブ・ゾロのディエゴのパターンはちょっと違うよなぁと復習したりいろんなゾロと比べるだけでも楽しかったです。

ジプシーとかディエゴが手品が得意という設定とかは数年前に出た小説「ゾロ 伝説の始まり」からとったんでしょうかね。あの小説、そこそこ面白かったけれど最後までディエゴのキャラにしっくりきませんでした。なんか違うなぁって。なぜかラストを映画マスク・オブ・ゾロにつなげてたのも不思議でした。
まったくみんなしてロリタをないがしろにして…。
そんなかんじで、エピソードのひとつひとつを楽しめたので、本当に行ってよかったです。しかし大阪公演が4日間でよかったかも。1ヶ月とかやってたら確実にフラフラもう1回は観にいったに違いない。
ひとつ残念だったのは、公式サイトのあらすじ読んでテンションが下がり、一番安いB席にしてしまったこと。私のあほう…。とりあえずゾロならなんでも踊っておくべきだった。やはり私はまだまだゾロオタクを名乗れないな。うう、もっと近くで見たかったよ…。まぁ、お値段考えるとひれ伏したくなるくらい十分楽しめたんですけどね。
とにかく私の一番大好きなヒーローの知名度がもっと上がってくれたら嬉しいです。なんかこのままいくと某海賊団乗組員とか某子供向け絵本のキツネとかのほうがメジャーになってしまうのではないかと恐れているので(笑)必殺技も特殊能力もハイテク機器も持ってないけどゾロはとてもカッコイイヒーローです。やっぱりゾロが好きだなとしみじみ思ったミュージカルでした。




高柴