青い虚空

高柴です



最近ジェフリー・ディーヴァーで外れが続いていたので、評判が良さそうな「青い虚空」を読んでみました。


女性の惨殺死体がみつかり、それがハッカーの犯行だと断定した警察は、目には目をと服役中の天才ハッカーに協力を要請。その後も犯行を重ねていく圧倒的な才能を持つ犯人と天才ハッカーの息詰まる攻防が展開される。

というストーリー。

なかなか面白かったです。きちんきちんと驚かせてくれました(笑)
リンカーン・ライムシリーズは、どんどん先回りして犯人を追い詰めていくイメージですが、この作品はギリギリ犯人に食らい付いていくイメージ。そのため爽快感はあまりないのですが、登場人物たちの「フフフ実は私の正体は…」という展開が多くて、ドキドキさせられました。
ハッとする驚きというよりは、びっくりだわ〜という驚き?うまく言えないのですが、作者にこの辺りで驚かせとくか。と言われて素直に驚いているような気分でした。話の流れで驚くのではなく、キャラの隠し事などのネタで驚くパターンが多かったので、ジェットコースターっぽくはなかったように思います。

青い虚空 (文春文庫)

青い虚空 (文春文庫)

最後まで引っ張った共犯者のショーンの正体もちょっとイマイチ。伏線張ってたと言われたらそうなんですけど。きっと、コンピュータに詳しければ驚くことができたのだと思います。でも私はコンピュータに疎いので、ショーンの凄さが実感できなかったのは残念でした。
しかし、コンピュータってすごいですね。
“人を殺すことだってできる”
本当にできちゃうんだなと、ちょっとゾッとしました。これが書かれたのは10年くらい前ですから、今はもっとコンピュータの存在が大きくなっているわけですし。

コンピュータ用語の目白押しでド素人の私にはちんぷんかんぷんな会話も多かったです。あわよくばちょっとコンピュータの知識を仕入れてやろうとか思っていたのですが、高度すぎて無理でした。


でも、いつの時代も変わらぬ人間関係で悩む登場人物たちは魅力的でしたし、共感できました。
個人的に、最後の「エド」の正体に気持ち良く驚かせられました。気付けてもよかったのに、全然気付かなかったなぁ。



高柴