屋烏

高柴です


ときめいたラブストーリーを紹介する勝手にバレンタイン企画第二弾!
今日は時代小説を代表してコチラ
乙川優三郎さんの短編集「屋烏」より表題作「屋烏」

屋烏 (講談社文庫)

屋烏 (講談社文庫)

最近また佐藤雅美さんにハマって佐藤さん佐藤さん言ってますが、去年のちょうど今頃は乙川さんに夢中でした(笑)
いわゆる人情物を得意とされている作家さんですね。乙川さんについてはまた今度書きたいのでとりあえず今日は「屋烏」のみのご紹介。
あらすじは
二十八になる揺枝(ゆえ)は上級藩士の家の生まれだが十二年前に両親を亡くしたため、女の身で幼い弟と家をずっと守ってきた。揺枝は家のために当時の結婚適齢期を完全に逃したが、それも運命と淡々と受け入れていた。しかし弟が成人し嫁を迎えてからはなんとなく家に居づらくなり、優しく控え目だが賢い揺枝は自分のこれからの身の振り方に悩む。
そんなある秋の日のこと。町外れの海が見渡せる揺枝のお気に入りの茶店からの帰り道、下駄の鼻緒が切れて立ち止まっているところに笠で顔を隠した男が現れ、手際良く下駄を直してくれた。思い切って名を名乗り、男の名を尋ねると男は家中で粗暴と噂されており、顔に恐ろしい傷跡がある下級藩士宮田与四郎だとわかる。しかし与四郎は礼儀正しく親切で、別れるときには雨が降りそうだからと笠を譲ってくれた。揺枝はそんな与四郎に興味を持つ。
しかし、次の日与四郎が大人数と派手な喧嘩をし、それが問題になっていると弟から聞かされる。揺枝は彼を案じるが、彼への処分は重く家も城下外れに追いやられてしまう。与四郎の評判は地に落ちたが、揺枝は実際に会った与四郎を信じ、笠を返し礼を言うために彼の家を訪ねる。与四郎は不在だったが、彼の両親に温かく迎えられ彼らと優しいひとときを過ごす。
三ヶ月後
事態は思わぬ方向に動いていた。家老暗殺未遂事件が起こり、与四郎が実は暗殺計画を事前に察した家老から直々に命を受け、御家と家老のために陰で働いていたことがわかったのだ。これまでの悪い噂はすべて周りを欺くためだったことがわかり、大きく出世することが確実となった与四郎のもとには、これまでひとつも来なかった若い良家の娘たちとの縁談が降るようにきているという。
そんな噂を聞き、密かに彼に想いを寄せていた揺枝は静かに彼への未練を断とうとしていた。

季節は過ぎ、再び秋が巡ってきた。揺枝は久しぶりに茶店へと足を運ぶ。するとそこには揺枝の訪れを待つ与四郎がいた。

超ベタだってわかってます…でも好きなんです!いいじゃんベタでも!ベタ万歳!揺枝がいじらしくて泣ける。与四郎がカッコよすぎて惚れる。そんなお話です。
揺枝みたいな人に憧れます。…自分が真逆に全力で突っ走ってるっていう自覚はあります。でも憧れるなー。



高柴