海から来た男

高柴です


もうすぐバレンタインですね!今年は何を作ろうかな♪
…自分に
あっちょっと私可哀想…
ま、いいか。今まで紹介してきた本たちをみて思いました。
色気ゼロだな…
恋愛モノって読まないですね〜。嫌いというよりあまり興味がないです。要素のひとつとして恋愛が入るのは好きなんですけどね。
しかし!そうは言ってもいくつか好きなラブストーリーがあります。バレンタイン企画として、高柴オススメのラブストーリーを14日までいくつかご紹介します。


ということでバレンタイン企画第一弾!
ご紹介するのはこの話!アガサ・クリスティの「謎のクィン氏」より「海から来た男」
「謎のクィン氏」は短編集なのです。私が好きなラブストーリーはその中の一編「海から来た男」です。
ええ!これは誰が何と言おうとラブストーリーです!!

謎のクィン氏 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

謎のクィン氏 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

どんな話かというと…
ゴシップ好きな人生の傍観者サタースウェイト氏は、ある小さな島に滞在中に40代後半くらいの男に出会う。一見何の不足もない人生を送ってきた幸せな人間に見えたが、彼は医者から余命わずかと宣告されて絶望し、20年ほど前に訪れたこの島での自殺を考えていた。人に秘密を打ち明けられやすいサタースウェイト氏は、彼が自殺するつもりだということと、これまで結婚せず息子を得られなかったことが唯一の心残りだということを知る。

彼と別れた後、今度はサタースウェイト氏は島の外れに住むエキゾチックな女性と会う。
彼女の気まぐれで家に招き入れられたサタースウェイト氏は、今度は彼女に秘密を打ち明けられる。
彼女はイギリス人で、23年前18歳のときに夫にこの島に連れてこられたが、すぐに夫から暴力を受けるようになった。耐えがたい暴力に絶望の日々を送っていた彼女は、1年後夫が不慮の事故で死亡したことによって自由になる。
夫から解放されたが一人のさみしさを感じていた彼女は、たまたま家の庭に迷い込んできたイギリス人の男性と出会う。
会ったのは彼女の希望で1度だけで、お互い名前も名乗らない軽い恋だったが、彼女は彼の子供を身ごもる。
子供を熱望していた彼女は喜び、生まれた息子を大切に育てたがそこで彼女自身思いもしなかったことが起こる。
息子は、彼女ではなく、彼の父親によく似ていた。彼の父親のことを愛していたわけではなかったのに、彼女は育つ息子を通して「彼」を知り、「彼」を愛するようになったのだ。
そして、現在は離れて暮らす誇り高い息子に私生児だと告げることができない彼女はやはり自殺を考えていた。

この文句なしにドラマチックな主役2人を自身を脇役と心得るサタースウェイト氏が鮮やかに導いてくれるというお話です。


やっぱりこの話好きだわ…。「生まれた息子を通して相手を知り、相手を愛するようになる」って、順番めちゃくちゃですけど素敵だなーと思います。

最近よく耳にする子供の虐待は離婚した母親が別れた夫に似た子供を憎むというパターンも多いらしいです。でも、それってすごく悲しいことだと思うんです。

子供なんていつ産めるかわからない(というか先に相手を見つけなきゃいけない)ですけど、いつか自分の子供ができたとき、成長する子供を通して相手の幼いころのことや、昔の自分のことを知って相手にも知ってもらって、驚いたり愛おしく思ったりすることがあるのかなぁと、ちょっと夢見る高柴でした。

…まー屁理屈こねまくる生意気な子に「ちょっと誰に似たのっ!!」とギャーギャー叫んでいる自分が目に浮かぶのですが。

絶対素直な人と結婚しようっと。




高柴