みをつくし料理帖シリーズ

高柴です



そういえば、まいまいは無事に待っていたシリーズの完結本を手に入れられたのでしょうか。シリーズ完結本とか本当に羨ましいです。

私が待つ続編の本たちはいったいいつ手に入るのか…。そういえば、リアルタイムでシリーズものの小説の完結を見届けたことってほとんどないような気がする。ハリー・ポッターくらい?だいたい私が飽きるか作者が飽きるかなんですよね〜。自分でも飽きっぽいとわかっているので、あまりシリーズものには手を出さないし、手を出すときは完結してるか近いうちに完結しそうかをチェックするようにしています。

しかし突然本屋さんで運命の出会いを果たしてそれがたまたまシリーズ第1作目だったなんてこともあったりします。今回ご紹介する「みをつくし料理帖シリーズ」がまさにそれ(笑)作者は郄田郁さん。かなり人気のシリーズなので、ご存じの方も多いと思います。

簡単に説明すると、舞台は江戸時代の江戸で、主人公の女の子(澪)は腕のいい料理人。天涯孤独・職場の大阪の料亭が焼失などなどの不運のオンパレードにも負けず、江戸で心優しい人々に支えられ、上方と江戸の味付けや文化の違いに戸惑いながらも料理人としてひたむきな努力を重ねる…という話?2011年1月現在4巻まで発売中。

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

読んだことある方は、なんか違う話になってるぞと突っ込みたくなるかも。あは。

私はいわゆるお涙頂戴ものというのは好きじゃありません。性格がひねくれまくってるせいなのですが、映画とかでも「泣ける!」とか言われたら絶対見にいきません。なんでお金払って泣かなあかんねん!とCMに突っ込む私。本でもやたら「感動」のキャッチコピーが踊っていると冷たい目で見てしまいます。どんだけ性格悪いんだろう…。とか言いつつかなり涙もろいんですよ。かっこわるっ!映画とかドラマはめったに泣かないのに本とか漫画とかはすぐ泣いてしまうのはなぜだろう。

話がそれました。この本は、ストーリーは王道のお涙頂戴モノです。でも、なぜかそういう話にありがちな「いやらしさ」を感じないんです。あくまで私の主観ですが。なんか爽やかなんですよね〜。主人公が自分のできることをひとつずつクリアしていく、その姿勢にも共感できます。

出てくるおばさまたちがやたらかっこいいこの作品、あえて言うなら男キャラがいまいちかなぁ。主人公が働くお店の主人のおじさんもなんか最近ワンパターンだし。主人公が想いを寄せる相手もあんまり好みじゃありません。だからか、主人公の恋にはまったく興味がわかないのが惜しいです。

それより主人公と幼馴染の女の子との友情がすごく好きです。お互いが支えになってる関係が好きなので。幼馴染のコがまたカッコイイ女の子なんですよ。主人公より好きかもしれない…。彼女が幸せになれるかどうかが気になって仕方がない。早く幸せになってほしいので澪頑張れ(笑)

この話は「料理」がテーマです。お料理が好きなので、読んでいて楽しいです。江戸と上方との食べ物の違いの豆知識も多くて、豆知識好きとしてもなかなか良い作品です。

ファンの間ではいつかド.ラ.マ.化するかもと言われていますが、私は嫌ですねぇ。だってド.ラ.マ.化なんてしたら主人公の恋がメインになりますもん。この話の良いところは恋とか愛とかそういう分かりやすく華やかなものじゃなくて、人と人の関わり、思いやり、主人公の素直さ、努力だと思うので。たとえ華やかでなくても、主人公が周りに助けられながら一歩ずつ前に進む、そんなじんわり優しい作風が好きな身としては、あまりおかしなド.ラ.マは作ってほしくないなぁと思います。

そんなことより、新刊はいったいいつ出るかということのほうが重要ですね。春までには出るかな〜。早く読みたいです。

文章も読みやすく、すべて文庫なので手も出しやすいこのシリーズ。普段時代小説を読まない方にもオススメです。<2月5日補足>
新刊は3月15日発売予定のようですね。タイトルは「小夜しぐれ」です。


高柴