愛おしい骨

高柴です


やっと読み終えました。

このミステリーかすごい!(略称このミス)2011年版海外部門1位作品「愛おしい骨」キャロル・オコンネル作

うーん。どうなんだろコレ??

あまりわくわくもドキドキもしなかったです。というか、メインは動機だったので、トリックがなかったというのも残念でした。ハッとするような犯人でもなかったですし。本筋よりも脇役のアド・ウィンストンとウィリアム・スワンの因縁というか攻防のほうがドキドキしたしミステリっぽかったような気がします。あと、視点や時間がコロコロ変わり過ぎて今は誰視点で朝なのか夜なのかそもそもいつなのかをしょっちゅう確認しなきゃいけなかったのも慣れないうちはしんどかったです。登場人物それぞれのエピソードをのんびり楽しむようなそんな話で、ヒロインと主人公のやりとり(?)は面白かったし、ラストは一応ハッピーエンドだったし、特にこれといって文句はないんだけど、誉めるところも特にないというのが高柴の感想です。やっぱりこういう賞を決めるエライ人たちのツボってよくわかりません…。
じゃあお前は何が面白いと思うんだと聞かれますと、迷わずこう答えます。
ボーン・コレクター」です!!

ボーン・コレクター 上 (文春文庫)

ボーン・コレクター 上 (文春文庫)

文庫だと上下巻なんですね。けっこうボリュームあります。
ジェフリー・ディーヴァーは天才だと思っています。読書なんて趣味なんですから、それぞれ「好み」があって当然です。私は、暗く陰惨で読後深く沈むようなそんな作品は大嫌いです。スカっとしたりわくわくしたりドキドキしたいのです。だって読書は「楽しみ」であってほしいから。
ボーン・コレクター」を読んだとき、背筋がぞくっとしました。ときどき本当に面白い推理小説を読んでいるとそうなります。顔の見えない犯人が自分の真後ろに立っているような、そんな「怖さ」を感じるのです。そういった意味では「ボーン・コレクター」は本当に怖かったし、ドキドキしっぱなしでした。意外な犯人、トリック、犯人と探偵(役)とのギリギリの頭脳戦、すべてがわくわくさせてくれました。
一応知らない人のためにちょこっと解説しておくと、「ボーン・コレクター」はリンカーン・ライムシリーズの1作目で、主人公はずば抜けて優秀な科学捜査官だったが、現場での事故で首から上と左手の人差し指以外は動かすことのできない身体になってしまったリンカーン・ライム。自分の身体に絶望していた彼は、ある事件でたまたま現場保護&鑑識をした巡査アメリアの科学捜査官としての才能を見出す。そして、元同僚の依頼でライムは新たな自分の「チーム」を結成し、天才的な頭脳を持つ犯人と対決するという話。シリーズが進むごとにライムの装備がかっこよくなっていきます(笑)
そういえば、去年邦訳が出たジェフリー・ディーヴァーの作品はキャサリン・ダンスシリーズだったのですね。このミスにもランクインしていました。また読まないと。正直、リンカーン・ライムシリーズは途中から少し勢いがなくなってきたような気がしましたし、「ソウル・コレクター」も絶賛できるような作品ではなかったので、ダンスシリーズのほうが楽しみかもしれません。リンカーンアメリアが好きなのでちょっと残念ではありますが…。

気楽に読める作品ではありませんが、寝られなくなる作品です。気付けば徹夜コースです。ミステリが好きでまだ読んでない方は是非♪



高柴