関所破り定次郎目籠のお練り

高柴です


佐藤雅美さんの八州廻り桑山十兵衛シリーズ「関所破り定次郎目籠のお練り」を読みました。

最近、八州廻り読んでないなと思っていたら、読むのを忘れていたようです。不覚!


八州廻りの岡っ引きのような役割を果たしている道案内二人が、ほぼ同時期に別々の場所で殺されるという事件が起こる。同時期だったのはただの偶然で、二つの事件に関連性はない。だが、身内のような道案内を殺されて犯人も捕まえられなければ八州廻りの権威が落ちる。十兵衛たち八州廻りは、すぐさま犯人を追った。
犯人はすぐにわかる。一人は定次郎という子分を二十人ばかりも抱えている大悪党で、そしてもう一人は泳ぎが達者で河童の六とか呼ばれている小悪党の六蔵だ。十兵衛は八州廻りの仕事をしつつ、この逃げた二人の悪党たちのことに気を付けていた。
何度もすんでのところまで追いつめるが逃げられるということを繰り返し、十兵衛はとうとう二人を捕らえる。


逃げている二人の悪党たちがいろんな事件にひょっこり顔を出して十兵衛とかかわりを持っていくのが面白かったです。定次郎と六蔵の悪党としての格の違い(?)もふふっと笑えました。
十兵衛に初めて自分の子供ができたのもなんだか感動しました。いろいろあったけど、幸せそうでよかったです。十兵衛は佐藤さんのシリーズものの主人公の中では珍しく腕がたつので、新鮮なかっこよさが味わえるところもこのシリーズの魅力だと思います。