舟を編む

高柴です


三浦しをんさんの「舟を編む」を読みました。

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

有名すぎる作品ですが、一応軽くあらすじ。
「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」
その信念のもと辞書づくりに人生をかけてきた荒木は、勤務先である出版社からの退職を間近に控えて自分の後継者探しに苦労していた。ともに辞書を作ってきた戦友とも言える言語学者の松本のためにも、辞書にすべてを捧げることのできる若い社員を見つけなくてはいけないのだ。
そんな若者がいるのだろうかと不安になっていたが、とうとう適任者を見つける。荒木が彼ならと見込んだのは馬締(まじめ)という社員で、少し変わっているが言葉への感性が鋭く、名前通り生真面目でなにより秘めた情熱を持つ青年だった。荒木から新しい辞書の完成という大きな仕事を任された馬締は、どんどん言葉の世界に魅せられて辞書作りに熱中する。
馬締という不思議で不器用な人間の情熱に、周りも魅了されていく。友情と恋と辞書という大きな仕事。馬締は周囲の助けを借りながら、さまざまなことを乗り越えて成長していく。


みたいな話。
言葉という果てしない世界を覗き込んだ気がして、とても楽しかったです。
辞書というテーマを意識されたのか、もともとそうなのかわかりませんが、作者の語彙力に脱帽。ものすごくたくさんの言葉が出てきて、それだけでも楽しい。
さっきから楽しかったしか言えない私の語彙力の乏しさ。ところで乏しいと貧しいの違いってなんだろう?表情は乏しいって言いますよね。
と、思わず言葉を頭の中で転がしたくなります。
登場人物のキャラも軽めで辞書という堅苦しい雰囲気を和らげています。どのキャラも魅力的で、言葉に興味のある人はもちろん、別にそんなの意識して生きてないわーっていう人にもオススメです。