あとより恋の責めくれば

高柴です


久しぶりに時代小説でハズレくじを引きました。
竹田真砂子さんの「あとより恋の責めくれば」の感想です。

あとより恋の責めくれば 御家人南畝先生

あとより恋の責めくれば 御家人南畝先生

物語は主人公の御家人が吉原の地味な遊女に一目惚れし、周りにいる都合の良い親切な友人たちに助けてもらってその恋を貫くという話。


まず、やたら「粋」だ「無粋」だといちいち書いているのがはっきり言って無粋。
一度この人は粋ですよと言ってくれればそれで十分なのに、さすが粋な〇〇は〜とか、〇〇は粋だから〜としつこく繰り返されると鼻に付きます。もっと言うと、そもそも粋というものをこれは粋ですと言ってしまう時点でどうなの?と思います。
登場人物のことを魅力的だ魅力的だと連呼する作家さんもいますが、魅力的だと言わないと読者にわかってもらえない「魅力」を疑います。それと同じような印象を受けました。
物語はまったく面白くなく、登場人物は魅力がさっぱりわからない主人公に地味で不気味な女たち、なぜか主人公のために動くことに喜びを感じる「親切で粋な」金持ちの友人たちで誰一人感情移入できる人がいない。最後まで読むか最後まで迷いながらずるずる読んでしまいました。
あと、急に話が過去にとんだり誰がしゃべっているのかよくわからなかったり文章が読みにくいのも難点。
あまり批判だけというのはしたくありませんが、この話はどこを褒めたら良いのかわからないので、愚痴だけの感想になってしまいました。
不快になられた方がいらっしゃったらごめんなさい。



高柴