しゃばけシリーズ

高柴です


しゃばけシリーズ」畠中恵さんの大人気シリーズですね。キャラがひたすら魅力的な作品です。ストーリーも軽くて読みやすいですし、人気があるのもよく分かります。

しかしなにか物足りなさを感じるシリーズでもあります。好きですし、全巻読んでいますがガツンとこないというかフワフワしているイメージです。絶対にある程度の満足感は与えてくれますし、面白いな〜と思いますし、たまに読み返したくもなります。

たぶん、キャラとストーリーのバランスを考えたとき、キャラの魅力にストーリーが少し頼り過ぎているのがそう感じてしまう原因なんだと思います。ストーリーも十分面白いですが、多少パターン化してきていますし。

話は変わりますが、売れる本ってキャラ重視が多いような気がします。以前話題になった「のぼうの城」とかまさにその典型です。「のぼうの城」は確かに読みやすいしキャラはめちゃくちゃ面白いし大満足な作品でしたが、その後の和田さんの作品の「小太郎の左腕」は全然面白くなかったです。続けて魅力的なキャラを生み出すことの難しさを感じました。


畠中さんのキャラは、「のぼうの城」のキャラのような「強烈さ」は持っていません。魅力的だけど、どちらかというとほのぼのした感じです。それが不思議な「安定感」をもたらして長く愛されるシリーズになったのかなぁと生意気にもちょっと推察してみました。



うだうだ書きましたがやっぱり好きなこのシリーズ、一番好きな話はシリーズ2作目「ぬしさまへ」の中の「空のビードロ」という話です。主人公の「若だんな」のお兄さんの話なんですが、若だんなって本当に良い子だなぁとしみじみ泣いた話です。どうでも良いですが私、泣きすぎですね(笑)

ぬしさまへ しゃばけシリーズ 2 (新潮文庫)

ぬしさまへ しゃばけシリーズ 2 (新潮文庫)

先にも書きましたが、パターン化してきたな〜と思っていたこのシリーズ、昨夏出た最新刊はちょっと読むのを迷ったのですがまるで読者の気持ちを読んだかのように話の展開の仕方を変えてきました。

それが「ゆんでめて」という作品なのですが、これは若だんなが「出会えなかった」人々との物語です。若だんなの運命があるささいなことで大きく変わります。しかし若だんなが進んだ「運命」は本来あるべきものではなかった。その「運命」の中で若だんなはいろいろな人と出会いますが、その代わり大切な友人を失います。そして若だんなの「運命」が本来あるべきほうへ戻されたとき、若だんなは何を失い、何を得るのか…?



というお話です。相変わらず読んでない人にはさっぱりわからないあらすじ紹介でごめんなさい。

そういや最近しゃばけシリーズ読んでないなーという方にオススメです。



高柴