有頂天家族〜二代目の帰朝〜

高柴です


森見登美彦さんの「有頂天家族〜二代目の帰朝〜」を読みました。

有頂天家族 二代目の帰朝

有頂天家族 二代目の帰朝

有頂天家族シリーズの第二部。大好きなシリーズなんですが、1作目が出てからあまりに時間が経ちすぎて、ホントに続きでるのかな?と疑っていました。最近は検索さえせずに忘れていたら、いつのまにか出ていてビックリ。これではファンと言えませんね。反省。
今回も前作と同様に、短編がゆるく繋がって長編っぽくなっている構成です。
天狗の赤玉先生の息子が滞在先のロンドンから電撃的に帰国。実は100年前、赤玉先生と実の息子である二代目は一人の女性を巡って激しく争い、父に負けた二代目が京都から姿を消したという経緯があった。
父子の争いと二代目と弁天の争い。それに狸たちの恋があちこちで始まって洛中は今日も賑やか。そしていよいよあの金曜倶楽部の忘年会が今年もやってくる。今年、狸鍋に落ちるのは……?


みたいなお話でした。
二代目がものすごくカッコイイ。かっこよくてちょっと可愛い。素晴らしい。そして、今回株を上げたのは赤玉先生。先生って実はスゴイ天狗なんじゃね?と、一瞬錯覚を起こすこと間違いなし。まぁでもたぶん気のせいだと思います。赤玉先生だし。
矢三郎が、なんだかんだ赤玉先生のこと大好きで和みます。彼は良い狸です。今回も、4兄弟の絆がすごくよかった。みんな一回り大きくなって、それぞれお父さんに近づいたのではないでしょうか。
そして今回のメインは毛深き恋の物語。ホントそれぞれよかった。特に海星が可愛すぎてどうしようと思った。ちょっと泣けました。
森見さんの、ちょっととぼけた語り口調が大好きです。独特の言い回しとかもすごく面白い。たとえば、二代目に尻尾を掴まれて宙に浮くことになってしまった矢三郎の感想(?)
「狸は天地無用である」
狸は天地無用!爆笑でした。いかにも矢三郎が言いそうなセリフですよね。
それぞれのキャラが大きく成長して、さらに他の京都の狸や他地域の狸の様子まで描かれて世界がぐんと広がった第二部。三部作ということで、次が最後ですね。いったいいつでるのかわかりませんが、忘れずにチェックしていこうと思います。